Tuesday, January 17, 2012

お笑いをぼくの一生の仕事にする事第2回

健太はある大阪系のお笑いが売りの会社のオーディションを受けて見事に落ちた。
「まあ、おれはこの会社好きではないから」
 こうやって自分自身を慰めた。
事実、高校生の頃から、
「この大阪のお笑いの会社は日本のお笑いをだめにする」
 健太はこう広言していたのだ。
この意見は健太だけではない。若者のみんなが腹の底でこう思っているのだ。だが巨大な権力には逆らえない。
「いつか自分の納得の行くお笑いを確立してやる」
 ある居酒屋でこのオーディションを落ちた日に健太は一人自分でビールを注いだ。
「今日はおめでたい日だ。門出を祝って乾杯」
 心の底でこう自分に言い聞かせてビールを飲み干した。

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