"go, note, open, boat,"
この発音がすべてできる高校生はごくわずかという結果を見て、久雄はため息をついた。
「日本の英語教育はまだまだ改善の余地がある」
天を見上げて自分自身に言い聞かすように、久雄はつぶやくのだった。
「これらの単語はすべて"ou"と折れる発音だ。o:ではない。中学校の時に徹底的にやっておかないと」
苦労するのが英語を習っている本人である事は、久雄が一番よく知っていた。
「久雄はアメリカに行った時、自分の発音の至らなさをいやというほど味わったからである」
久雄はまた自分自身に言い聞かすようにこう言った。
「何とかしないと・・・・・・」
ただ、こんな思いも久雄の心の中にはあったのである。
「私ばかり頑張ってもどうしようもない、給料が上がるわけでもない。地位が上がるわけでもない」
さりとて、久雄は目の前の英語教育の窮状を放っておくつもりはなかった。
「何とかしないと」
久雄のこの気持ばかりが、空回りしたのである。
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