恵子は回りからチヤホヤされて得意の絶頂だった。各地の公民館に招かれて、
「七十歳からの素晴らしい生き方」
を講演したりしたのである。
「同年代の女性からチヤホヤされてヒロインとなったのだ」
だが、そのヒロインもある出来事をきっかけに落ちた偶像となっていった。恵子の家に、
「恵子と娘の陽子の初体験の相手正雄がラブラブに入って行く写真が陽子宛に送られてきたのだ」
陽子は逆上して怒った。
「これ何、説明してよ」
この言葉に、
「見ての通りよ」
と恵子は言葉を返す以外にすべはなかった。
「あんたって犬畜生以下ね」
陽子の怒りは納まらない。
「地獄に落ちろ」
悪口雑言の限りを母親に投げつけるのだった。
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