「おれ達の愛は許されない愛だろうか」
メイジは広島市安芸区矢野の山の上にある墓地でマリと逢っていた。
「許すも許さないも、あなたと私の問題でしょう。何の問題があるの」
マリはメイジにこう言い返した。
「しかし、おれ達の家は江戸時代から仲が悪いからなあ」
メイジは苦汁の表情を浮かべ、自分に言いきかせるようにこう言うのだった。
「関係ない」
マリは強い口調でこう言った。
「マリはどんな事があってもおれについてくるか」
このメイジの言葉に、マリは、
「ええ」
ときっぱりと言った。
「大学生になったら、広島市か呉市に住もうか」
メイジの言葉に、
「ええそうしましょう。ここにはおれないかも」
マリは本音をメイジに返すのだった。
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