Monday, November 15, 2010

小説あなたと私の合言葉 第8回

 メイジは生まれて初めて父親に逆らった。
「マリちゃんとの交際を許してくれないのなら家を出る」
 大声でこう言った。
「マリってあの大井の森田の娘か」
 父親はびっくりしたようにこう言った。
「そうだよ、それがどうした」
 メイジも凄い剣幕である。
「この罰当たりが・・・・・・」
 父親はこう言うなり黙ってしまった。
「交際を許してくれる」
 このメイジの言葉に父親は、
「絶対に許さん」
 こう言うのだった。
「僕には僕の人生がある」
「だめだ」
 二人の言葉は平行線をたどった。

No comments:

Post a Comment