メイジの父親とマリの父親は、あのメイジとマリが密会している矢野の墓地で、元焼き場で激しく言い争っていた。二人の争いは終わらない。
「うちの息子をたらしこむな」
ものすごい剣幕でメイジの父親がマリの父親に怒鳴った。
「たらしこんだのはどっちだい」
マリの父親も負けてはいない。
「うちの息子に会ってくれるな」
「ちょっかいを出しているのは、お前の息子のほうだろう」
会話は平行線に次ぐ平行線である。
無理も無い。
「江戸時代から平行線に次ぐ、平行線だったのだから」
いやそんな簡単なものではない。
「ちょっとした戦の様相を呈していたのだ」
この両家の争いは続く。
メイジとマリは、生きた心地がしなかった。
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